柳田さんの”フィリピン生活のお話”
柳田さんのフィリピンの暮らしのお話です。スローライフのすすめ。忙しい日本人ビジネスマンが忘れていた世界がここにある。
| フィリピノ生活:買い物事情 |
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フィリピンの社会組織の基礎となるのが”バランガイ(町内会)”です。たとえばジョデイのふるさとのマプヨの入り口の門には”W-lcome BRGY(バランガイ) MAPUYO”の看板が掲げられています。マニラのような都会では、各筋毎にバランガイがあります。同じバランガイの住人は、だいたい同じ地方からの出身者で占められています。元来、家族意識、仲間意識の強い国民ですから、仕事を求め、仲間を頼って都会に出てきた人達の結束は固く、みんなが寄り添い助け合って生きています。 このバランガイの中には多数の”サリサリストア”がありますし、惣菜屋さん(自宅の前に、数種類のおかずの鍋を置いて売っているだけ、5ペソ(10円)くらいからあり、ビニールの袋に入れてくれます。)もあります。バランガイの住人の通常生活の買い物は、だいたい、この中で済まされます。フィリピンの代表的な形式のサリサリストアは、自宅の前の道に面したところをお店にしたものですが、表側は鉄格子と金網が張られ、その金網に駄菓子、ジュース、生活用品それに小さなオモチャ等々所狭しとぶら下がげられ、本当に何でも揃っています。(同じバランガイにある店同士がなるべく競合しないように、店によって置いているものは多少違うようですが。)その金網に約20cm四方のフタのついた窓があり、そこからお金と物のやり取りが行われます。 タバコなどはばら売りが基本です。オヤジどもはタバコが無くなるとポケットから小銭を取り出し、子供にタバコを買ってこいといいます。子供は文句も言わず、すぐに駆け出し、手に数本のタバコを持って帰ってきます。本当に子供はこき使われます。子供も当たり前のようにお使いに行きますが、たまには小遣いも含めて渡しているようで、袋入りの駄菓子やアイスキャンデイを持って帰る姿も見られます。駄菓子、アイスキャンデイは1ペソ(2円)で買えます。 フィリピンの小銭は10ペソ(20円、10ペソ紙幣もあるためか、このコインはめったにお目にかかりませんが)、5ペソ(10円)、1ペソ(2円)と25セタボ(50銭)の4種類があります。セタボ以外は通常の生活でよく使いますので、いつもポケットの中は、小銭がジャラジャラと大変です。(小銭が溜まると、正月用だといってジョデイに召し上げられますが) ジプニー(どこでも止まるオープンバス、フィリピン名物?慣れるととても便利です。ちなみに私は今だ1人で乗ったことはありません。いつも、ジョデイと親戚の監視ガード付きです・・ハハ!なんでも、スナッチャーやキッズナッパー(これが一番物騒とのこと)が多いとのことで、マニラではほとんど1人では表に出してくれません。):4ペソ〜トライシクル(バイクタクシー):5ペソ〜、タクシー:25ペソ〜(観光客と見るとすぐに200、300ペソに跳ね上がります。お客も平気で500ペソ(特に日本人)を払うので、顔を見て外国人だと分かると同じような目に会わされます。最近は、タクシーに乗った瞬間にジョデイやおばさんが「メトロ(メーター利用)」と強く言いますので、現地価格になっています。)、ショッピングセンター内にあるフィッシューボール(串揚げのすり身天ぷら、マサラップ(うまい)です)等々スナック類:2,3ペソ〜等々です。 そうそう、大事なのがショッピングセンターのタクシー案内係り。これは地元の人達もよく利用しているショッピングセンターのタクシー乗り場にたむろしている人達ですが、タクシーを連れてきてくれます。このチップが5ペソです。ここでタクシーに乗るためには、どうしてもお世話?になるしかありませんが、子供から物騒な顔付きのおじさんまでいて、彼らの家庭の生活費になっているようです。1日50人案内すると250ペソ、こちらでは高給になります。 観光客は両替したままで500ペソ札しか持っていないようで、どこでも500ペソ札を出しているようですが、現地の人がそんな大金を出して買い物するのは、ごく限られた場所です。1日の稼ぎが100ペソにも満たない人達が大勢住んでいる国です。1,000ペソにも満たないお金が払えない為に、病院にも行けず亡くなる人達のいるこの国で、このような感覚のままマニラをフラフラと歩いている観光客が犯罪に遭うことは当然なことでもあり、悲しいことですが日常茶飯事のように起こっています。 ついでに紙幣は10ペソ(20円)、20ペソ(40円)、50ペソ(100円)、100ペソ(200円)、500ペソ(1,000円)、1000ペソ(2,000円)があります。通常は100ペソ以下の紙幣を1〜2,000ペソくらいポケットに突っ込んで外出します。サイフは持ちません。それに、特別な買い物がある時以外はこれで十分過ぎるくらいです。食事、つまみ食い、遊園地、映画館、動物園、海辺の散歩、それにちょっとした買い物、十分に1日中楽しむことができます。(必ず案内役兼ガード?役のおばさんといとこらがついてきますので、4〜5人分の費用です。 フィリピンの人達がよく利用するのが、マーケットです。これは肉、イスダ(魚)、グーライ(野菜)、米、日常雑貨等々小さな個人商店の集まった地域のことを言います。いくつかの小さなマーケットはバランガイに隣接するようにありますが、大都市のマニラには、いくつかの大きなマーケットがあります。 安くいいものが置いてあるので、よく一般の家庭の人々の食料のまとめ買いに利用されます。私も一度だけ連れて行ってもらいました。(おばさんと従兄弟のガード付きです。その後は、「あなたはお金持ちに見えるから(・・・ハハ)、危ないから行くな!」と連れて行ってもらえません。) 肉コーナー、イスダ(魚)コーナーというように種類別区画され、各々の店の境界がどこにあるのか分からないくらいに、小さな店が犇きあって商売をしています。間の狭い通路には、すれ違うのも大変になるくらい人々が溢れています。すごい活気です。ひとつの町と言ってもいいくらいの広さがあります。 このような場所が大好きな私は、すぐにわき道に入って行こうとしますが、その度にジョデイに袖を引っ張られ怒られます。後で、「マーケットはスナッチャーがアチコチにいるから危ないんだよ!」と強く言われてしまいました。(まあ、この後二度と連れて行ってもらえませんでしたが) このマーケットでの買い物は、全てがキロ単位です。イスダ(魚)、肉、グーライ(野菜)・・イスダ(魚)は日本のものとは少し形が違うようですが、アジやイワシも見られます。イサキに形が似た、ウメイロモドキやグルクン(沖縄の名前です)もいます。ラプラプ(ハタ)はこちらでも高級魚で、マーケットでもあまり数が見られません。1匹で100ペソ(200円)近くします。 フィリピンの方は癖のあるイスダが大好きです。サバやソウダガツオのスープを好んで食べますが、スープにすると癖が表にでてきますので、私はどうも苦手です。あれ、これと指をさすと、一緒に来たおばさんが店の人と何やら話をし、こちらを向いて「120ペソ(240円)」といいます。お金を渡すと、ビニール袋一杯のイスダが手渡されます。 肉は、針金でぶら下げられたものを、必要なだけ切り取って買うようになります。鶏肉は1匹のまま売っています。フィリピンの鶏肉は美味しいので、沢山買うことにします。「タツロン キロ(3キロ)」と言うと、丸ままの鶏肉を4〜5匹、秤に乗せます。計り終わると、また、おばさんが店の人に何やら話しています。店の人はいきなり鉈を振り上げ、鶏をぶつ切りにし、ビニール袋(向こうではプラステイックと言います。)に詰めて手渡ししてくれます。約250ペソ(500円)です。 こちらの方はバブイ(ブタ)が好物ですので、バブイも買うことにします。「ダラワン キロ(2キロ)」というと、ぶら下がっている塊に包丁を入れ、エイヤッという感じで肉を切り取ります。秤に載せ、足りない分はまた切り取り、秤に載せます。少しオーバーすると、切り取って戻そうとしますが、おばさんが何やら言い出し(これは感覚で「まけろ」とか「サービスしろ」とか言っているのが分かります。)そのまま、ビニール袋に入ることとなります。 『日本のスーパーに買い物に行って、で薄く切られたパック入りの肉を見たらびっくりするだろうな!』と考えてしまいました。 グーライ(野菜)は日本にあるものはほとんど見ることができます。それに熱帯地方のグーライを加え、沢山の種類のグーライが山と詰まれています。どれも安く、100ペソ200ペソ買うと山程買えます。ただ、うちの家族はグーライがあまり好きでないので、無理やり買わせては料理に入れさせ、食べさせます。 米屋の前には、いくつかの木の箱が並べられ、その中に見本の米が入っています。ジョデイが一掴みづつ手に取り、匂いを嗅いだり、齧ったりしています。「これどうだ?」と一掴みの米を差し出し食べてみろといいます。『俺は米やじゃあないから、わかんねえよ!』と思いながら齧ると、匂いも無く、かすかな甘味を感じます。タイ米は臭いと言って日本人は敬遠しますが、米のランクによるものだと思います。安い米にはあのタイ米独特の匂いがあります。ランクを上げていくと匂いが無くなり、米の甘味もでてきます。2,000円くらいの米が最上級でしたが、とても美味しい米でした。この値段は50kgの米の値段です。それでもジョデイは「マニラは米が高い。」と言っています。マニラにある私のアパートには、60kgの容量のある米びつが置かれていますが、1ヶ月持ちません。いつもいつも、沢山の人達に囲まれて生活をしています。 後は、専門店、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ショッピングセンター、デパートメントストアと少し日本とは違うところはありますが、お馴染みのお店です。
こちらの方は”オリジナル”、”ローカル”と製品を分類することがあります。”オリジナル”はブランド品のことですが、”ローカル”は模造品もしくは一部のフィリピン製品のことを、そう呼んでいるようです。CD・DVD、洋品類、貴金属、電化製品等々いろいろな物にローカル品は存在します。ローカル品は品質が悪いのですが、その価格が非常に魅力的ですので、どこにでも売られています。 CD・DVDはその最たるもので、先進国で問題視されている知的所有権問題などどこ吹く風です。映画はビデュアルCDが主流ですが、ローカルでは30ペソ〜50ペソです。それも封切り前の映画が堂々と売られています。”1月19日ロードショー封切り”という看板を見ながら、12月末には”ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還”のCDが売られていました。50ペソです。裏を見るとm-ade in chinaの文字があります。日本人の私としては、考えさせられてしまいます。ジョデイは「ローカルは機械が壊れることもあると聞いているので、買わないほうがいい!」と言います。判断基準は別の次元にあるんですが、この言葉で決断がつきました。しかし、このローカル品が貧しい一部の人達の生活を支えているのか、と考えると複雑な気持ちになります。 ちなみにオリジナルは150ペソ〜270ペソ、それに封切り後、一月もすると販売されるので、新しい映画をすぐに購入することができます。(字幕スーパーの必要の無いこの国では、本国の封切りとほぼ同時期に新しい映画が上映されます。)この値段の方も、日本人の私には考えさせられるものです。(おかげで、日本では封切り前の映画を含め、沢山の映画を家で見ることができました。映画の好きなフィリピン人が一緒ですから、毎日が映画鑑賞会となります。) ショッピングセンターの中の遊歩道には沢山の小さな店(露天商のよう)がひしめき合うように設置されていますが、ここはローカル品の宝庫です・・ハハ!知的所有権、模造品は別にして、地元で作られた一般の商品を物色するのは、純粋に楽しめます。洋服は最高です。 フィリピンの人達は親戚が多く、したがってお祝いも沢山必要になります。誕生日のお祝いは、大人は別として子供にはプレゼントを買う必要がありますが、この”ローカル製品”に助けられました。 ショッピングセンターに行ったある日、ジョデイが「いとこの子供の誕生日のプレゼントをあげたいけど?」というので「・・・O−K−、アノ(なにを)?」と、乗り気のしない声で答えると、目の前の店を指差して「ドレス」と答えるので、「マグカノ(いくら)?」と聞くと、店員に話し掛け「50ペソ」と答えが返ってきます。「100円!」「いいよ!」つい、元気よく返事をしてしまいました。見ると色とりどりの、1ピース、2ピースの鮮やかな子供用ドレスが、ハンガーから溢れんばかりにぶら下がっています。 ジョデイに聞くと、子供へのプレゼントには服や靴が喜ばれるとのこと、服は同じような値段のものを買って丁寧に扱い、長年使うとのことです。小さくなって着れなくなると、親戚や隣近所の必要なうちにあげるとのことです。50ペソ(100円)の服です。靴も同じくらいの値段で買うことができます。 他に化粧品や装飾品その他小物、サングラス等は30ペソくらいから売っています。この雑然とした店の中を縫うように歩き回るのも楽しい時間です。(くれぐれもサイフは持たないように・・!) 洋服の話ですが、フィリピンの特有なものにテーラー(洋服)があります。日本と違って、やたらめったらにテーラーが目につきます。街角毎にあると言ってもいいくらいです。ここでは、何でも作ってくれます。普段着からウエデイングドレスまで、何でもありです。フィリピンの常識で”買ってすぐに着ることのできる吊るしの服は高く、頼んでから時間のかかるオーダーは安い”というのがあります。洋服のいいものを買うとき、時間に制限がないのなら、オーダーが一番です。ちなみに、私の結婚式用のウエデイングドレス一式、バーハイ(付き人)他大人用ドレス8着、子供用ドレス2着締めて38,000円なりでした。全て完成するまでに、約2ヶ月を要しています。 頼み方は簡単です。いろいろなファッション雑誌があり、その中の写真を見て「これ!」と言うだけだす。どれでも、かまいません。その通りのものを作ってくれます。そして、服が決まりましたら、本人を連れて来て採寸をするだけです。後は、ただ待つだけとなります。ちなみにウエデイングドレス一式の値段は7,000ペソ(14,000円)でした。このウエデイングドレスはマプヨの実家に大切に保存されています。自分のウエデイングドレスを着て、きれいな教会で結婚するのがフィリピン女性と家族の夢なのだそうです。問題は、腕のいいテーラーを知っているかですが・・・。 フー、そろそろ書くのも疲れてきました。(読むのはもっと疲れるでしょうね・・・すみません。) あちらにしばらく住むと、お金の価値が麻痺してきます・・・というかフィリピン人の庶民の感覚になってきます。100ペソ(200円)を越えるものを買うとき、抵抗感を感じるようになります。たまに、タクシーがメーターを倒さず、無条件に100ペソを請求され、払わざる得なくなったときなど(争い事はなるべく避けた方が懸命ですので)、無償に腹立たしくなります。 私以上に、ジョデイやおばさんはカリカリしています。おばさんは、それ以降、他のタクシーに乗る度に、そのタクシーの運転手に向かって「こんな悪い運転手がいたのよ!」と声を荒げて話していたくらいです。 そのお金で何ができるか知っているからです。そのお金を稼ぐのが如何に大変か知っているからです。『自分らももっと考えないといけないな』、と反省させられます。 私はショッピングセンターもレストランもありませんが、実家のあるマプヨが好きです。村の中にはサリサリストア以外に買い物もする場所もありませんが、安心して自由に動き回れる環境があります。金はなくても、心から明るくやさしい人達がいます。これが同じ国かな?と思うくらいです。日本は・・・?と考えます。 海外に住んでいると、日本の姿がよく見えるような気がします。 またまた、長くなりましてすみませんでした。”暇に任せて、買い物情報”でした。
2004年2月1日 20:40投稿 |